2013年08月07日

「風立ちぬ」が沁み入る夏の日。

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 公開から2週間あまりでようやく観てきた。
宮崎駿監督の 「風立ちぬ」。

 あちこちでストーリーや背景が報じられているので、ここでは申すまい。

 ただ、宮崎さんの作品で、いちばん深い思いを抱いたのは間違いない。

 私の中では最高傑作に出会った気分だ。

 昭和の大恐慌から第二次大戦に至る時代を横糸に、その時代に翻弄されながらも、自分の思いに真っ直ぐ生きようとした人たちを縦糸に据えて織りなされた作品。

 航空設計技士を目指した主人公・二郎の夢と、生きた時代がもたらす錯誤は切ない。

 また、結核に侵されて先が長くないと悟った菜穂子の、二郎に対する思いと行動…。

 いずれも、「今を懸命に生きる」 というのが根底にある。

 そして、そうした行動を引き起こす人の心のありようを描いていたからこそ、劇場内で共感の涙を流す人たちが多かったのだろう。

 人間は、理屈で片づけられない生き物だ。矛盾のかたまりだ。だからこそ、美しい。


 主人公・二郎の声に庵野秀明さんを起用したのも、リアリティを狙ったものだと思う。時代に流されずモノを創り、夢をカタチにする人という意味での起用…という話を聞いたが、むしろ、役作りの巧みな声優・俳優ではない人に声を吹き込んでもらうことで、二郎をキャラクターとしてではなく、人間として豊かに描きたかったのだろうと感じた。


 声高に 「戦争反対」 を叫ぶ映画ではない。

 ましてや、一部の外国メディアが報じる 「戦争礼賛」 のようなものでは決してありえない。←立場が違えばそういう解釈になるの?と思ったりもしたが、報じたメディアの “読解能力の欠如” と理解した方が良いだろう。


 普通に生きる人たちが、自分の人生を思うがままに全うできない 「戦争」 とは、一体、何なのか?を起想させ、それは果たして許されるものなのかを考えさせるのに、この作品は十分な力を有する。

 一見、子供向けのアニメではないが、大人よりも感受性の強い子供には見せて良いと思うし、「あれはなぜそうなったのか」 がその時には判らずとも、のちに紐解いた時に理解が深まり、自分の生き方に思いを馳せることができたなら、それでいい。むしろ、作品へ思いは、そうして醸成してゆくものだろう。

posted by holyyell at 00:28| Comment(0) | 物思う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年08月04日

時には昔の話を。

 ナイトゲームの仕事が終わって夜半に帰宅し、新聞の夕刊を見たらこんな記事が載っていた。「御堂筋の彫刻」 →http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130803/wlf13080313310015-n1.htm

 大阪の中心部を南北に貫くメーンストリートの御堂筋。その沿道には、企業からの寄付による彫刻が設置されている。すべて、本物の彫刻だ。美術館に所蔵されているような芸術品が、覆いもなく、雨風にさらされながら、人々が行き交うそのそばで街の風景に溶け込んでいる贅沢な空間…。


 20年以上前、当時の大阪市長・西尾正也さんが 「企業も文化振興の担い手」 として、企業の寄付を前提に事業を立ち上げた 「御堂筋彫刻ストリート」。


 当時、ラジオ大阪で、建設省 (現・国土交通省) 大阪国道工事事務所による番組の出演者として、“道” に関する様々な場所へ取材に行き、リポートしていたが、この彫刻ストリートの除幕式にも幾度か訪れたことを、記事を読みながら、ふと思い出した。


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 これは、1994年の10月に行われた除幕式の際に、西尾市長にインタビューした時の写真。取材のディレクターが、「行くでー」 と言いながらノンアポでアタックし、歩きながら話をお聞きしたという結構ムチャなエピソードも鮮明に記憶に残っている。←今の市長では絶対できないわなぁ。(^^;)


 新聞の記事を読んで古いアルバムをめくり、思い出を虫干しするのも、悪くない。


 そういえば、番組では 「JR東西線の北新地駅」 がまだ工事現場だった頃とか、「第二京阪道路」 が工事の前段階だった頃に現場を訪れ、今はもう地図になっているそれらが “未来” だった話題をいっぱい取り上げていたんだよなぁ。

 戻りたいとは思わないけれど、またゆっくり思い出したいね。

posted by holyyell at 02:52| Comment(0) | 物思う | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする